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血糖値やHbA1cは軽い糖質制限と軽い運動で安定しています

 

この記事は40代の男性に書いていただきました。糖尿病と判定されましたが、朝食だけの軽い糖質制限と30分程度の軽い運動だけで、糖尿病の数値は安定しているそうです。

……….

 20年ほど前、会社の健康診断で高血糖を指摘されました。血糖値は180で、糖尿病と診断されました。当時は、まだHbA1cの検査が今ほど定着していませんでしたが6.8%でした。これも糖尿病の基準(HbA1c6.5%以上が糖尿病)に当てはまっています。

 産業医の指示は、生活リズムを改善して規則正しく三食食べること、間食をしないこと、食後1時間に軽い運動をすることの3点でした。それから20年が経過しましたが、HbA1cも健康な人と変わりないレベルになり、BMIも26から21に、体脂肪率も24から17になりました。

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生活リズムの改善

 当時は仕事も忙しく通勤も1時間50分程の長距離通勤でした。このため、朝食抜きで出勤することも多く、夕食時間もかなり不規則でした。

 糖尿病だと分かった後は規則正しい食生活を心がけ、朝食は妻の協力で出勤前に食べるようにしました。なるべく糖質の多いパンやお米を避けて、いわゆる糖質制限をしています。

 昼食は社食でほぼ同じ時間に食べていたのですが、日替わり定食を食べるようにしました。夕食はなかなか安定しませんでした。毎週3回ほどは、外食でしたが時間のバラツキを少なくするように心がけました。

 食事制限は人生での楽しみを半分くらい失うことと同じなので極端な我慢はしなくても良いと医者から言われていましたので、食材やカロリーについてはあまり考えずにパンやお米を制限するのは朝だけにして、昼と夜は通常通り食べていました。

 また、10時と15時のおやつを止めました。この時間帯、疲れた時には甘いものを食べることが多くありました。医者からは止めるように言われましたので、ここできっぱり止めることが出来ました。もちろん、チーズなど血糖値があまり上がらない食品(糖質制限用の食材)であれば食べても大丈夫なのですが、「おやつにチーズを食べてもなー」という思いがあり、結局は食べないことに落ち着きました。休日は子供達とおやつを一緒に食べることが楽しみでしたがコーヒーだけで我慢。

糖尿病のため疲れない程度に運動しました

 「糖尿病には運動が良い」と聞いたことはないでしょうか。過去にも頑張って運動したこともありますが疲れも残って長続きしませんでした。そこで、「適切な運動量」を確認するために、歩数、体組成、血圧だけでなく、血糖値も自宅で測るように測定器を購入しました。休日に食事前後、散歩前後など1日6回ほど血糖値を測定しました。

 激しい運動や疲れが残るような散歩をすると血糖値は高くなること、食後の血糖値を下げるには30分程の散歩が適していることなどが経験則から分かりました。この頃、平日は居室と実験室、会議室などへの移動を中心に4000歩/日でしたので、30分の散歩はかなり負担でしたが疲れはありませんでした。

 食後1時間に運動するように指示されていましたが、夕食後は行いませんでした。平日の朝は通勤の乗り換えでの階段、昼は階段を使いながら部屋の移動を遠回りするようにしました。歩くことに違和感がなくなると歩数も増えていきました。3年ほどで連続して1万5千歩を歩いても疲れは残らなくなり空腹時血糖は100以下、HbA1cも5.6%前後で安定し、BMIは22、体脂肪率は20と大きく改善しました。糖尿病の数値だったのが、今では正常値の範囲に収まるようになっています。

薬物治療

 糖尿病の治療当初はグルメピリド錠(膵臓を刺激し、インスリンの分泌を促す薬)を飲んでいましたので急な空腹感など低血糖になることもありました。カンデサルタン錠(血圧を下げる薬)も飲んでいましたが、散歩が定着すると飲まなくてもよくなりました。現在はネシーナ錠(インスリンに関わるホルモンに作用し血糖値をコントロールする薬)とメトホルミン塩酸塩錠(肝臓で糖を作る作用を抑える薬)だけになりました。1日1回だけの薬なので日中薬を持ち歩くこともなくなりました。

 こんな治療を行ってきましたが、運動の効果もあり、6.8%だったHbA1cは1年後には6.0%となりました。仕事が忙しくなり6.2%から5.9%の状態が2年近く続きましたが海外出張が少なくなると5.6%まで低下しました。それから20年ほど経過しましたが、HbA1cは5.2%で安定しています。

総合的な検査を定期的に行いました

 産業医の方針は一貫して「インスリン注射にならないようにできるだけ膵臓を休ませる」ということでした。典型的なII型の糖尿病ですが、血糖値やHbA1cだけでなく必要に応じて身体全体の検査をしました。インスリン抵抗性やインスリンの分泌量も測定し、血糖値が高くてもインスリンの分泌量に問題なければインスリンを分泌させる薬は使わないようにしました。

 また、尿中のアルブミンを測定して腎機能のチェックも行いましたし(合併症の検査のため)、頸動脈の超音波検査で外頚動脈と内頚動脈の血流や状態、眼底カメラ、MRIやMRAで眼や脳の血管なども検査しました。結果は今のところ、何も問題はありません。

最後に

 軽い糖質制限と軽い運動で体調は良くなっていると自覚できています。医者の指示を無理しないで気長に守りながら、歩数計、体組成計、血圧計という家庭にあるもので体調を把握したことが、糖尿病を悪化させず合併症の危険がない状態に保てたのではないかと考えています。

[参考記事]
「糖尿病とはどんな病気か。基準値、合併症、予防など」

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