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血糖値が680になり、インスリンを打つまでの経緯。原因はジュース

この記事は40代の男性に書いていただきました。

…………

 私は二型糖尿病歴15年になる40代男性です。糖尿病が発覚した当時、甘いものが大好きだった私は人生の楽しみの半分を奪われた気持ちでした。

 そんな私が今、正常値とまではいきませんが「血糖コントロールは出来ている」と医者には言われています。現在インスリンを打っていますが、それまでの経緯を書きます。

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◼️離婚がきっかけで暴飲暴食がはじまる

 今からちょうど15年前、離婚を経験しました。それは突然の出来事です。仕事から帰ると家の中に家具家電はなく、可愛い盛りの3歳の息子も連れていかれました。そのせいで当時食欲もほとんどなく食事もまちまちでしたが、バランスも何も考えず簡単なものをただ食べる生活…

 家族もいない1人の食生活は今考えるとゾッとします。朝は何も食べず、昼はラーメン、ギョーザ、ライスのセットやカレー、ハンバーガーも2~3個、コンビニ弁当、ほか弁、もちろん野菜は食べません。夜は同じような外食で、しかも夜中は菓子パン。

 何より大好きな飲み物はペットボトルのレモンティー、甘い缶コーヒーはお茶や水のかわりでした。大体、ジュースを1日500のペットボトル3~5本ぐらい、缶コーヒーは2~3本飲んでました。体を壊さない方がおかしいですよね。

◼️忍び寄る体調不良、異様な喉の渇きが襲う毎日

 離婚してから、わずか半年も経たずに体調不良が出てきました。あまりにも喉が渇くので、夜中に何回も起きて水分を補給します。もちろんそれは甘いレモンティーなんですよね。自分の体の状態なんて全く分かりませんし、喉の渇きが糖尿病の自覚症状だなんて夢にも思いませんでしたので、さらに甘いジュースで喉の渇きを解消していました。

 炭水化物と糖分を過剰に摂取する毎日で、言いようのないだるさと喉の渇き、倦怠感があってもそれが糖尿病だとは思いません。加齢でだるいんだろうなぐらいしか思わないのです。

■糖尿病の症状は次のステップへ

 「こむら返りが起こる」なんて言葉を耳にしたことはありませんか?ふくらはぎが痙攣するという意味なのですが、正確には有痛性筋痙攣(ゆうつうせいきんけいれん)と呼ばれています。このこむら返りが夜中頻繁に起こって目が覚めるんです。突然の痛みにびっくりして飛び起きて、自分でマッサージするんですがなかなか治まらないんですよね。

 就寝後の喉の渇き、トイレ、こむら返りの連鎖ですので寝る暇はあまりありません。睡眠不足に体のだるさで仕事もままなりません。ただ単に疲れているぐらいしか思っていないので、病院なんて行くわけがないのですが、とうとう病院行きを決意する決定的な出来事が起こります。

■脱水症状で倒れる?

 血糖値の高い人は血液中の糖質を薄めようとたくさんの水分を使うらしく、喉の渇きが無くても脱水の恐れがあります。当時そんなことは知る由もありませんが、ある日の就寝前それは起こりました。

 夜中に起きたくないのでいつもたくさんの水分をとってから寝るようにしていました。しかしその日に限って糖分たっぷりのレモンティーを切らしていて、ペットボトルの麦茶しかありませんでした。いつもなら遅くても買いに行くのですが、諦めて麦茶を飲んでトイレに行って用を足すと座ったまま立ち上がれないのです。

 これはヤバいと思い無理に立ち上がろうとしてそのまま前のめりに倒れてしまいました。遠のく意識の中、近くの友人に電話をかけていたのですが、その時の事は覚えていません。ただ気が付いたときは駆け付けた友人が私の名前を呼びながら救急車を呼ぼうとしていました。その後、はっきりと意識が戻り救急車は呼ばないでもらい、その日はそのまま就寝しました。

■病院へ行かなければ

 次の日、私は近くの内科を受診しました。風邪もひくことがありませんので、病院に行こうと決意するためには、よっぽどの事がないとできません。でも一人暮らしで又倒れてしまう事があったら、誰にも知られずに死んでしまうかもしれない…そんな恐怖が頭をよぎりました。何か病気であることは確かだから病院に行こう。孤独死だけはどうしても避けたい。そんな気持ちからでした。

 内科の医師に症状を伝えるとすぐ「親兄弟に糖尿病の方はいませんか?」そう聞かれましたが、親兄弟や親族までも糖尿病の人間はいません。血液検査をすると医師がびっくりした顔で言いました。「血糖値が680mg/dLあります。気分は悪くないですか?」「専門医を紹介しますので今から行ってください。」

[糖尿病]
①早朝空腹時血糖値
=>126mg/dl以上

②食後2時間血糖値(75g経口ブトウ糖負荷試験で判定)
=>200mg/dl以上

③HbAlc値
=>6.5%以上

■糖尿病の専門病院へ

 受診した内科から車で15分ぐらいのところにその病院はありました。紹介状を渡し、体重、血圧を計った後、血液を採取して待合室で待つこと30分、診察室に呼ばれ「親族に糖尿病の方はいませんか?」また聞かれました。「このまま入院が必要ですね。詳しい検査も必要ですし。」その言葉にびっくりしました。

 入院は出来ない旨を伝えると、医師が「HbA1cが11.8%、血糖値も高い。普通に生活しているのが不思議です」と言われましたが、よくよく考えると普通の生活はしていませんね(笑)当時の私にはHbA1cの意味がわかりませんでしたが、大まかに言うと過去1ヵ月の平均的な血糖を表しているらしく普通の人で5.5%ぐらいなので相当高い数値だったんですね。

■糖尿病通院生活が始まる

 糖尿病専門病院に行ってから1ヶ月は、ちょくちょく病院に検査に行きました。眼底検査や腎臓、肝臓の検査、タンクに1日の尿を溜めて持って行ったり、栄養指導という事で本を買って指導を受けたりで特にあわただしい1ヶ月でした。合併症がなかったのは幸いですが私の場合は完全にすい臓(インスリンの分泌器官)がダメになってる訳ではなく疲弊状態でした。

 インスリンが出ていない訳ではないので、すい臓に働きかけてインスリンを出してくれるお薬を飲みましょうという事で、もらったお薬がグリミクロンで毎食後に飲みます。後は食事と運動の事を言われましたが1人暮らしの私が自炊できる訳でもなく、特に運動することもなく、食事には極力気を付けて糖尿病生活が始まりました。

■炭水化物や糖質をひかえてみる

 とりあえず私の場合は高血糖で喉が渇いて、それを解消しようと又糖分を摂取するという非常にまずい連鎖が続いていました。糖質制限、炭水化物の摂取を少し気を付けるだけで血糖値やHbA1cはどんどん下がっていきました。薬を飲み始めて1ヶ月でHbA1cは9%になりそれでもまだ高いので、ついにはジュース・コーヒー・菓子パンをやめてみました。

 すると次の1ヶ月で8%まで落ちましたがその後はほとんど変わりません。そして糖尿病を発症してから1年、再婚した現在の妻と同棲をはじめると食生活がグッと変わったせいなのかHbA1cは7~8%の間を行ったり来たりで約5年経過、もっと血糖コントロールが良くなるように医師からインスリン注射に切り替えましょうかとの提案がありました。

■合併症が出ないように

 服薬中なので以前のようにびっくりするほど高血糖になるという事はありませんでしたが、お昼の血糖値は300~400mg/dLとなかなか下がりません。試験的にインスリン注射を導入してみましょうとの事でした。

 それに同じ薬はずっと使っていると効きが悪くなる事があるらしく、気持ち的には注射は面倒なのでどうしても避けたかったのですが医師のこの言葉で決意しました。「このまま血糖値が高いのが続けば合併症は必ず出てきます…」これから先、目が見えなくなったり、手足を切り落とさなければならなかったりするのは絶対嫌だと思いました。

■インスリン注射を打ち始めて

 現在もインスリン注射を打っていますが私には非常に相性が良く、注射に変えた当初からグッとコントロールが出来るようになりました。

 当時からノボラピッド(超速効)を毎食前に朝4単位、昼9単位、夜5単位と、1日1回のトレシーバ(持続型)を夕食前に12単位打っています。注射に変えてからHbA1cは6.5~7.0%の間、食後血糖値は200mg/dL以内に落ち着いています。医師からも良好なコントロールが出来てますよとの事で甘いものを食べたい時や食事を抜いた時などは自分で調整して打ってます。

■糖尿病ですが長生きしたい

 私はお米も大好きで結構な量を食べていましたが、現在では茶碗の半分ぐらいしか食べません。大好きな缶コーヒーも糖質0にしています。嫁がつくる食事もパルスイートで料理していますので炭水化物、糖質はかなり落として甘いものも極力控えて頑張っています。だって再婚して子供がまだ2歳なのでもっともっと健康で長生きしたいですもん(笑)

[参考記事]
「糖尿病が進行し、合併症により腎臓がなかり悪くなってきています」

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