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糖尿病の人に行われる栄養指導とは何?

 

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栄養指導の種類

 糖尿病と診断された時には、治療として、医師の指示による食事療法を行います。この食事のことを特別治療食といいます。この特別治療食が必要とされた人に対し、管理栄養士が栄養指導をします。糖尿病ではカロリー制限食が該当します。

 栄養指導には、外来での栄養指導、入院での栄養指導、集団での栄養指導があります。これらの指導を通して、家でも確実に特別治療食を食べられる状態を目指します。

 糖尿病の人にする栄養指導ではカロリー計算をするための食品交換表の使い方の説明を受け、決められたカロリー内で食事ができるようにします。特に入院での栄養指導は、退院後もスムーズに食事療法を実践できるようになることを目的とするわけですから、食品交換表によるカロリー計算(献立の組み方)を確実にマスターできます。この栄養指導は、糖尿病の人だけではなく、その食事の支度をする家族も一緒に受けられることが強く推奨されるのが一般的です。

食品交換表

 カロリー制限食においては、日々の食事のカロリー管理が非常に重要です。そこで、このカロリー管理に用いられるのが食品交換表というものです。書店にはたくさんの食品交換表が売られていますので、実際に手にとってご覧になってみるのが一番です。食品交換表が栄養指導の要です。

 この食品交換表は、栄養素別に6つ(表1から表6)に分けられていて、1単位を80kcalとして定めています。1単位80kcalの量はお米であれば小さい茶碗に半分の量、食パンであれば6枚切りの半分の量です。例えば、1日の摂取カロリー制限が1200kcalであれば15単位、1600kcalであれば20単位の食事に納めるといった具合に計算して使います。

 カロリー制限食では、炭水化物:タンパク質:脂質をおおむね6:2:2で摂取する食事がバランスの良い食事として推奨されています。このバランスでカロリー制限食を組み立てていきます。

表1 主に糖質を含む食品 
ご飯・パン・じゃがいも・カボチャ

表2主に糖質を含む食品
果物

表3 主にたんぱく質を含む食品 
魚介、肉、卵、チーズ、大豆とその製品

表4 主にたんぱく質を含む食品
牛乳と乳製品(チーズを除く)

表5 主に脂肪を含む食品
油脂、多脂性食品、アボガド

表6 主にビタミン、ミネラルを含む食品
野菜、海藻、きのこ

その他
調味料 みそ、砂糖、ケチャプなど

続けられる食事を考える

 ところで、薬の服薬については、服薬コンプライアンスという言葉があります。意味は「処方した通りにきちんと服薬すること」です。特に糖尿病の薬物療法においては血糖値のコントロールをするためにも、服薬コンプライアンスが重要です。

 血糖値の上昇は食事によって引き起こされるものですから、その意味では、食事療法にもコンプライアンスが重要です。つまり、言われた通りの食事を行うということです。食事は毎日欠かさず続けていかなければならないものですから、「言われたから仕方なくやる」「本当は嫌だけど仕方がない」という受け身の姿勢でいては、継続することは困難になります。常にカロリー計算をしながら日々の食事を続けるということは、実はとても大変なことです。それゆえに、糖尿病の食事療法に失敗した、断念したという話を耳にすることが珍しくないのです。

 食事療法を続けていくことが難しい理由は「面倒である」ということの他、カロリー制限食を食べても効果が得られないというケースも考えられます。カロリー制限は食事に占める糖質の割合が6割ですので、血糖値が上がりすぎてしまう人もいます。その場合には疑問を持ちながら続けることは難しいです。こういう状況になった時にはどうすればいいのか。

 近年では、伝統的なカロリー制限食の他に、糖質制限食による食事療法が提唱され広がりを見せています。糖尿病を診療する医師や、糖尿病の栄養指導にあたる管理栄養士にも糖質制限の知識や、糖質制限への理解を有する人が少しずつ増えてきました。医療の世界ではセカンド・オピニオンという言葉が普通に用いられるようになってきましたが、食事療法でもこれは同じであるべきです。

 糖尿病患者は伝統的な栄養指導に疑問を持つのであれば糖質制限食に詳しい専門家(医師や栄養士)に指導をお願いするのも手です。そのためにもまずは、糖尿病の人自身が糖質制限食についての正しい知識を身につけることが大切です。やはり、ここでも納得してから行うということが大事だからです。

[参考記事]
「糖尿病の食事療法であるカロリー制限食と糖質制限食について」

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