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糖尿病になるとどんな自覚症状が現れる?

 

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■糖尿病とは

 糖尿病とは、簡単に言えば慢性的な高血糖のことです。血糖値のコントロールには、インスリンが重要な役割を担っていますが、このインスリンの効きが悪いorインスリンの分泌能力が低いことで血糖値に問題が現れます。

 インスリンの効きが悪い原因は例えば脂肪が多すぎることです。中性脂肪が多くなるとインスリンが効きが悪くなり、血糖値は順調に下がっていきません。インスリンの分泌能力が低いのは膵臓が弱っているからです。インスリンを多く分泌しすぎると膵臓は徐々に弱っていきます。

 糖尿病はそのまま放置しておくと、血管に大きな悪影響をもたらすために、様々な重篤な合併症を引き起こし、足の切断や失明といった事態になることもありますので大変危険です。

■糖尿病の自覚症状

 糖尿病はサイレントキラーといわれ、その初期段階で自覚することはかなり難しいものです。一般に、糖尿病の自覚症状としては、次のようなものが挙げられます。これらは「初期症状」と紹介されることもありますが、これらの症状があるときには、既に高血糖の状態が進んでいる(もはや初期ではない)可能性が高いので、特に注意が必要です。

①尿の回数が多い・尿の量が多い・尿の泡が消えない
 これは血糖値が高くなる(通常の糖代謝では糖を代謝しきれなくなる)と、余分な糖を外に出す必要があるからです。そのために、尿の回数が増えたり、尿の量が多くなったりします。

 また、尿が泡立ち、それがしばらく消えないときには、特に注意が必要です。健康な状態の人であっても、体内の水分量が少ないときの尿は泡立つことがありますが、この場合の泡はすぐ消えます。なかなか消えない泡の原因は尿にタンパク質が含まれていることが原因ですが、これは糖尿病性腎症の疑いがありますので特に注意が必要となります。

②のどが渇く
 血糖値が高くなると①で述べたように、尿の回数・量が増えますから、それだけ体内の水分が多く排出されますので、当然にのどの渇きを覚えることが多くなります。また、血糖値が高くなったときには、脳が「体内が脱水状態にある」と判断し、水分を補給されるためにのどの渇きを覚えます。

 このときに、のどの渇きに対して、ジュース類のような糖分の多く含まれた清涼飲料水を摂取することは、体内の血糖値を余計に増加させることにつながりますから危険です。水やお茶といった糖分の入っていないものを飲むようにしましょう。

③十分に食事を摂ったはずなのにお腹が減るなど
 空腹を感じるというのは、体内のエネルギーが不足してきたことのサインです。通常であれば、食事によって摂取された糖は、エネルギーとして十分に取り込まれますが、冒頭に書いたようにインスリンに問題があると、この取り込みが不十分となり、①で述べたように尿糖として体外に排出されてしまいます。そのために、エネルギー不足に陥りやすく(空腹を感じやすく)なるのです。

 この状態がさらに進むと、糖の取り込みが不十分であること(慢性的なエネルギー不足)が原因で、脂肪や筋肉の分解が促進され、「食べているのに痩せる」という症状があらわれます。

④疲れやすい・体がだるい
 ③で述べたように、血糖値が高い状態が続くと体内のエネルギーが不足しがちになります。そのために、疲れを感じやすくなり、体のだるさを感じるようになります。

⑤食後に眠気を感じる
 食後に眠気を感じることも、正確には満腹が原因ではありません。糖の過剰摂取によって血糖値が急上昇したこと(グルコーススパイクが生じたこと)によって、オレキシンという覚醒ホルモンの分泌が低下したために、眠気を感じるのです。

 糖の過剰摂取を続けていると膵臓が疲れてきて、インスリンの分泌が弱くなることもありますので、食後眠くなったら糖質を摂り過ぎていないか確認しましょう。

■まとめ

 糖尿病の自覚症状として挙げられるものについて紹介してきました。これらはすべて「既に血糖値が高い」ことが原因で引き起こされる症状です。したがって、繰り返しになりますが、これらの症状を自覚されたときには、血糖値の異常は「始まったばかり」なのではなく、既にある程度「進行し始めている」と認識しておくべきでしょう。もちろん、これらの症状があるからといって糖尿病とは限りませんが、警戒はする必要はあります。

 糖尿病を自覚する症状としては、上で紹介したほかにも、目のかすみ、立ちくらみ、手足のしびれ、インポテンツ、月経異常などがあげられますが、これらも初期症状ではなく、糖尿病(慢性的な高血糖)が既に一定以上進行した上での、目の病気、神経障害、血管障害といった合併症の予兆と言えます。これらの症状を感じた際には、速やかに専門医に相談されることをおすすめします。

[参考記事]
「糖尿病とはどんな病気か。基準値、合併症、予防など」

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