この記事は30代の男性に、中学生の時に突然1型糖尿病を発症した経緯、現在の状況などを書いていただきました。
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晴天の霹靂の発症当時
36歳男で、1型糖尿病です。幼少期は普通に過ごしてましたが、13歳の中学生2年の時に喉の渇きと多尿もありながら風邪っぽい症状があったので、近所の診療所へ行きました。
尿検査をして風邪薬を出してもらう時にお医者さんが「何か気になるなぁ」と言ってましたので、恐らくそれが尿糖が陽性だったのだと思います。その後体調は一向に良くならずにいたので、「今度はもう少し大きい町の病院に行こう」と父に言われたので、早速、その病院に行きました。色々検査をした結果、医師からは「小児性糖尿病です、今すぐ入院が必要になります。ここでは診れないので大学病院へ言ってください。1週間後の修学旅行は諦めてください。」と言われました。
その時思ったのが修学旅行へ行けないことより行かなくていいんだという安心感でした、なぜなら1時間に1度は必ずトイレに行ってたのでとても外での行動は無理だと思ってたので。
突然はじまった入院生活
その後、大学病院へ行き、入院生活が始まりました。入院してすぐに測定した血糖値は1000を超えてたそうです。医師からもよく倒れなかったねと言われました。
[糖尿病]
①早朝空腹時血糖値
=>126mg/dl以上②食後2時間血糖値(75g経口ブトウ糖負荷試験で判定)
=>200mg/dl以上③HbA1c値
=>6.5%以上
入院中は普通食を食べてましたが、お菓子は我慢するように言われました。やむなしに目を盗んで間食・・・すぐにばれましたが血糖にさほど問題はなかったようです(笑)中2という多感な時期も重なり主治医や看護師さんに心を開けなかったのを覚えてます。
また、退院したら病気を理由にいじめられるんじゃないかと不安になったのを覚えてます。退院後は保健室で血糖測定させられ、ご飯の量を量るなどストレスを感じることが多くなりました。その後はインスリンを打ちながら普段通りに食事をし、部活動のサッカーも続けてました。
学生生活が終わり社会人へ
高校進学後は中学生時代に糖尿病に関して何気ない一言で傷ついてたので、病気を隠して生活をしサッカーを続けました。当時はインスリンがR(速効型)とN(中間型)しかなかったので、朝R、夕R、眠前Nというインスリンのうち方でした。本当は昼もうった方がよかったのですが病気がばれたくなかったので、自己判断で止めていました。
血糖値は午前中はほぼ血糖値は低い状態でその後お昼ご飯を食べて高血糖になりますが、サッカーをしてそこそこに抑えるという非常に血管に良くないコントロールでした。その後卒業と同時にサッカーを辞めた私は大した知識も病識もないので6%台で抑えていたHbA1cがみるみる上昇、8%台に上昇した時に主治医から「お前そろそろいい加減にしろ!」と言われました。
しかし私は「仕事中に低血糖を起こすわけにはいかない、このままいく」と言うと主治医が「じゃあお前このまま合併症になっていいのか」と言われ、そのまま主治医と30秒くらいにらみ続けました。どうにも主治医が引いてくれそうになかったので「わかった先生の言う通りにします。」と言いました。
その時思ったのが「低血糖で倒れたらこの医者のせいにしてやろう。」でした。ですが、まだ半分くらいしか目が覚めてませんでした。残りの半分私の目を覚まさせてくれたのが同じ病気の友人でした。発症してからずっと同じ病気の人と話すのは傷の舐め合いと思ってましたが、私も大人になっていくうちにちょっと会ってみようかなということで集まりに参加しました。その帰り際前にいた二人が「a1cなんぼだった?」「5.9」「すごい私なんて6.4なのに」という話が聞こえました。8%台の私が怒られた理由がようやくわかった瞬間でした。
血糖コントロールに真剣に取り組みはじめて
血糖コントロールに真剣に取り組もうとした私は何をすべきかはわかってました。このころ超即効型インスリンも出たので間食の前などもこまめに注射をするようになりました。外出時も注射を持ち歩きトイレなどで注射をするようになりました。寝る前に忘れがちだった持効型も忘れずにうつようになりました。
恐る恐る行った1か月後の外来はa1cが0.5%下がってました。主治医からも凄いじゃないかと褒めてもらい、それからは6%台になるまではすぐに下げることが出来ました。
現在、生活に併せてインスリン注射を
その後現在に至るまで概ね6%台を維持できるようになってます。食事は特に制限されておりません。食べたいものを食べて、その分に対してインスリン注射をしています。もちろん、食べすぎはよくないですし、バランスのいい食事をする必要があるのは当然です。
現在の注射は超即効型を朝食前5単位、昼食前5単位、夕食前8単位、中間型を夕食時8単位、眠前に持効型を20単位注射してます。超即効においてはその日の血糖値や運動量で調節します。間食がしたいときは更に追加打ちします。今のところ合併症に関しては目の一番小さい血管が出血したりを繰り返してますが、今まで通りの生活を続けるよう言われてます。
医師に言われたことは「糖尿病だからと言わないで、とにかくしたいことすること」そのために必要な血糖コントロールを自分で考えて注射を打つことです。食事を制限されなかったり、注射の単位数をその都度自分で調整しなければいけないというのが2型糖尿病との違いではないでしょうか。
たまに病気になってつらい時もありますが同じ病気を持った友人と知り合えたことで決して傷の舐め合いでなく励まし合っていけてるというのが私の糖尿病治療において非常に大きいです。
以上拙い文章ではありますが、糖尿病の中で1型糖尿病は少数の存在ではありますが一人の体験談とさせていただきます。
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