この記事は40代の女性に書いていただきました。
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高校3年生18歳の時、学校の検診にて糖尿病と診断されました。血糖値は300ほど有り食事指導を受けました。医師からはこのまま放っておくと40歳までに失明し、命を落とす事になると言われました。
発症の原因
元々祖母方の家系が糖尿病を患うものが多く、将来的には掛かるであろう病気でしたが、中学の時から過食でした。それに加え、元気になりたいがために甘い滋養強壮剤を、毎日2本摂取していました。食事の量は1回に3人前は当たり前で、しかも中心は炭水化物。冷やしタヌキを1食で6食平らげた日もありました。
半年で20㎏もの体重が増えたにも関わらず、自分では太った事にすら気が付きませんでした。そんな生活が続き高校には進学するも食生活はほとんど変わりませんでした。そしてとうとう糖尿病という診断を下されたのです。
治療期1
年齢も若く治療方法は食事制限でした。ご飯のグラムを量り、食品交換表と言うカロリーを一目で確認できる表をキッチンに貼って毎日母と格闘しました。今まで暴食を続けていた私は、長く続くはずもなく食事制限を止めてしまいました。
結婚と出産
高校を卒業して生活が変わり、暴食は収まり体重も自然に落ちて80㎏近くあった体重は57㎏になりました。血糖値は知らない内に標準になって治ったかと思い、治療も検診もせず23歳で結婚しました。
すぐに妊娠したのですが、体重増加と共に血糖値が上がり始め、改めて糖尿病は完治する病気でない事を思い知らされました。
そして再度、食事制限を始めました。妊娠中である為、薬は使いたくなかったので、野菜炒めのような、体重を増やさず血糖値を上げない食事を摂り、食べる量を少なくする等、必死で実施しました。
ですが、食事療法は自分で行なうには相当な気持ちの強さが必要でした。結局出産時には84㎏。妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)になり体は水分を溜めこんでしまい、出産しても体重は減るどころではなく増えたのです。
治療期2
子供が産まれ、授乳の関係からしばらくは食事療法が続きましたが、結局は上手くいかず。また糖尿病をなめていたので、治療を疎かにしてしまいました。
子供が3歳になる頃パートを始めた私はまた暴食暴飲をする生活になっていました。その頃異常な喉の渇き、トイレの近さに気づくようになりました。ここで自覚症状が出始めたのです。
病院に診断に行くとHdAlc:10 血糖値は500を超えるというとんでもない状態になっておりました。投薬治療ではとうてい下げられる数値ではなかったのです。直ぐに教育治療入院となり、食事療法はもちろん、インシュリン注射と投薬治療が始まりました。
毎日朝・昼・夜・就寝前に血糖測定。指に針を刺し血液から血糖を自身で測らなければなりません。それに合わせ注射の量を小単位から1週間かけて上げていきます。注射は現在非常に細い針を利用していますが痛みがないわけではないです。入院は1週間から2週間ほどですが退院後も病院で教わった方法を実施していくのです。
自宅治療の難しさ
退院した時は間食もせず1400kcalに制限された食事を守り、投薬・インシュリン注射もしっかり行なっていました。
しばらくは真面目に教わったことを守ろうと食事に気を付け、インシュリンを食前に…など頑張っていましたが、病院にいた時よりも上手くいくはずもなく、インシュリンの打ち忘れ、食事もこのくらい動くから大丈夫だろうという甘えが出てきてしまいます。
パートに出るようになると昼食毎にトイレに行ってこっそりインシュリンを打つ日々…。苦痛で仕方ありませんでした。
そういった甘えや苦痛が血糖値を上げてしまい再入院。そんな生活を3度ほど繰り返しました。
3度目の教育治療入院で出会ったビクトーザ皮下注射にて状態が変わりました。食前のインシュリン注射とは違い24時間緩やかに効果のあるインシュリン注射と組み合わせることで朝2本の注射を打つことで直前注射を打たなくて良くなったのです。
ビクトーザは消化管ホルモンのひとつGLP-1と言うものに働きかけ自身のインシュリンの増加を助けてくれる注射です。ただ副作用が最初激しく、私の場合便秘・腹部膨満感・嘔吐が起こり、食欲が減りました。あんなに食べたくて仕方なかったのが1日1食しか食べられない日が2週間ほど続きました。慣れてくるとそういった副作用もなくなり、副作用を感じることはありません。
現在はHdAlc:7 血糖値:278に落ち着いていますが、長い間、高血糖であったせいで合併症を引き起こしています。現在は足のしびれに・網膜症を併発してしまっております。
足には電気が走るようなびりっとした痛みが頻発しており、家でも仕事中でも関係なく24時間の痛みがあります。薬によって多少抑える事が出来るとの事で、抗うつ薬のサインバルタと言う薬を飲んでいますが、まったく痛みを消す事はできません。
網膜症については現在眼底出血が確認されています。自覚症状はありませんが視力が確実に悪くなったことはわかります。現在は目に関する治療は受けておりませんが、症状がもう少し進んでしまった場合はレーザー治療と手術を必要とするので糖尿病を悪くしないようにと医師に宣告されています。
糖尿病は掛かってしまったら「一生の病気」で治療を疎かにするととっても怖い病気であることを実感しました。現在43歳ですが体力がかなり落ち、自身のしんどさはもっと年齢を重ねた状態に等しいと感じています。
現在は私の時代より若い方にこういう成人病のリスクが高くなったと聞きます。早い段階で糖尿病を患った方は正しい治療を早くに続けていただけることをお勧めします。そして決して途中で治療を止めないでいただきたいです。
[参考記事]
「糖尿病の薬「ビクトーザ」と食事療法で50キロ痩せた話」
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