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糖尿病は遺伝するかどうかを解説します

 

 糖尿病を持つ人が親や兄弟など自分と近い関係の人の中にいると、糖尿病にかかりやすいと言われています。「糖尿病家系」と言われるほど家族内に糖尿病の人が多いという家族は実在します。

 糖尿病と遺伝の関係について詳しく解説していきます。

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1型糖尿病の場合

 1型糖尿病は、インスリンを分泌する膵臓が自己免疫の疾患などにより破壊されるため、インスリンの分泌ができない、もしくは分泌量が少量であるため血糖値が高くなる病気です。子どもの頃に発症するなど比較的若い人に多く見られますが、先天性なものではありません。

 1型糖尿病に関係のある遺伝子があることが分かってきていますが、その「糖尿病になる遺伝子を持っている=糖尿病」という訳ではありません。癌の遺伝であれば「癌になりやすい遺伝的な性質」を持っていますが、皆が癌になるわけではありません。これと糖尿病も同じです。

2型糖尿病の場合

 数からすると断然1型糖尿病より2型糖尿病の方が多いです。両親ともに糖尿病であると、その子も同じ運命を辿る可能性が5割以上あります。これは遺伝的な要素が強いと言えますが、逆に考えれば半分の人は糖尿病になりませんので、糖尿病が発症するのは体質に加えて、生活習慣が大きな影響を与えていると考えるべきです。

 糖尿病は「生活習慣病」の1つです。家族に糖尿病の人がいない場合でも、生活習慣によって糖尿病になる可能性は十分あります。さらに家族に糖尿病の人がいる場合は、糖尿病になりやすいということを自覚し、普通の人より食生活に気を付けましょう。

日本人と糖尿病について

 日本人は人種的にインスリンを分泌する能力が低いため、標準体重より少し体重が多いだけでもインスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)になり、糖尿病になりやすいです。これは人種的にそういう遺伝的な構造になっているということです。

 また、日本人は、標準体重より少し体重が重いだけでも内臓脂肪が付きやすい傾向があります。肥満はインスリン抵抗性(血糖値が下がりにくい状態)を招きやすく、それゆえ膵臓は血糖値を下げようとフル回転でインスリンを分泌し続けます。すると次第に膵臓が疲れ、インスリン自体の分泌が減少してしまいます。そのため、軽度の肥満でも日本人は糖尿病になりやすいという特徴があるのです。

 一方欧米人は、インスリンを分泌する能力が高いため、軽度の肥満ではインスリン抵抗性が起こりません。そのため肥満がかなり進んでから発症することが多いのです。

見直そう生活習慣!

 日本人は先ほど書いたように糖尿病になりやすいという特徴があり、遺伝はその原因の中の一つです。これに糖質の多く食事が加わることで糖尿病が発症します。ですので、遺伝は変えられないので、2型糖尿病を予防するためには、生活習慣を見直すことが必要となります。

 糖尿病になる可能性を高める要因は「糖質の多い食事」や「運動をしない」を挙げることができます。実は糖質は内藤脂肪になりやすい物質なのです。内臓脂肪が多くなると、脂肪細胞からインスリンの働きを悪くするホルモンが出てきます。そうするとインスリンの効き目が悪くなり、糖尿病になりやすくなってきます。

 また、運動には、筋肉でブドウ糖が消費されるため血糖値の上昇を防ぐ効果があります。しかし運動不足が続くことによりこの効果が得られず、血糖値が高いまま維持される恐れがあります。

 以上のように食事と運動の要因が重なることにより糖尿病が発症する可能性が高くなります。この状態に遺伝的な要素が加わることにより、発症の危険性がさらに高まります。

 食習慣や生活習慣は子どもにも受け継がれ、大きくなっても同じようなものを好んで食べるようになるので、小さい頃から良い習慣づけをしてあげることは非常に良い教育になります。

まとめ

 日本人は糖尿病になりやすい遺伝的な要素を持っているので、結局は生活習慣を変えるしかないのです。糖尿病は生活習慣病の1つです。家族に糖尿病の人がいる場合は、糖尿病になりやすいということを自覚したうえで生活習慣を改善することにより糖尿病を予防しましょう。

[参考記事]
「なぜ運動をすると血糖値が下がり糖尿病に効果があるのか」

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