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糖尿病と診断されたら最初の30日でやるべきこと

糖尿病と診断されると、多くの人が「これからどうすればいいのか?」と戸惑い、不安になるのは当然のことです。しかし、糖尿病は正しい知識と日々の習慣で十分にコントロールできる病気です。診断直後の30日間は、今後の糖尿病との付き合い方を決める非常に大切な期間です。この1ヶ月で何をすべきか、具体的に解説していきます。


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1. 自分の病気を正しく理解する

医師からの説明をしっかり聞く

糖尿病と診断されたら、まずは主治医から現在の状態について説明を受けましょう。血糖値、HbA1c(ヘモグロビンA1c)、インスリンの分泌能力、合併症の有無などを確認し、自分の状態を客観的に把握することが重要です。

質問リストを準備する

診察時に聞きたいことがある場合は、あらかじめメモしておきましょう。以下のような質問をしてみるとよいでしょう:

  • どのタイプの糖尿病ですか?(1型、2型、妊娠糖尿病など)

  • 現在の血糖コントロール状況は?

  • 今後必要な治療の内容と方針は?

  • 食事・運動で気をつけることは?

  • 今後の検査スケジュールは?

糖尿病に関する基本知識を学ぶ

糖尿病は「治す」病気ではなく、「コントロールする」病気です。自己管理が必要不可欠なため、基礎知識の習得は必須です。信頼できる医療サイトや本を使って、以下のようなことを学びましょう:

  • 血糖値の変動とその影響

  • 食事、運動、薬物療法の役割

  • 低血糖・高血糖の症状と対処法

  • 合併症の予防法


2. 生活習慣を見直す

食事内容を見直す

食事療法は糖尿病管理の基本です。診断されたその日から、「何を、どれだけ、どのように食べるか」が重要になります。以下のポイントに注目して食事内容を見直しましょう:

  • 主食の見直し:白米やパンなどの精製された炭水化物を控えめにし、玄米や全粒粉パン、雑穀米などを選ぶ。

  • 野菜を増やす:特に食物繊維が豊富な葉物野菜や根菜を積極的に摂取。

  • タンパク質の工夫:赤身肉よりも魚、鶏肉、大豆製品を多く取り入れる。

  • 間食を減らす:砂糖を含むお菓子や飲料は極力控える。

  • 規則正しい時間に食べる:血糖の急上昇を避けるため、1日3食を決まった時間に。

医師や栄養士に相談し、糖尿病食の具体的な献立を組んでもらうとより安心です。

運動習慣をつける

運動は血糖値の改善に非常に効果的です。激しい運動をする必要はありません。まずは以下のような軽い運動から始めてみましょう:

  • 1日20〜30分のウォーキング

  • ストレッチや軽い筋トレ

  • エレベーターの代わりに階段を使う

無理のない範囲で、できれば毎日続けられることが理想です。医師の許可を得たうえで、自分に合った運動を取り入れてください。


3. 血糖値の記録とセルフモニタリング

糖尿病では、日々の血糖値の記録が自己管理のカギを握ります。医師から指示されたタイミング(朝食前、食後2時間後、就寝前など)に測定し、数値を記録しましょう。ノート、アプリ、または専用の記録表など、自分が続けやすい方法でOKです。

記録したデータは次回の診察時に医師に見せ、治療の方針に活かしてもらいましょう。


4. 薬物療法・インスリン注射の理解と実践

診断された時点で、血糖値が高い場合は薬物療法が始まることもあります。内服薬やインスリン注射が処方されたら、必ず以下の点に注意しましょう:

  • 正しいタイミングと方法で服用・注射する

  • 飲み忘れた場合の対応を医師に確認する

  • 副作用の有無をチェックする

インスリン注射が必要な場合でも、針は極細で痛みは少なく、現在はペン型で使いやすいものが主流です。自己注射に不安がある方は、看護師や薬剤師にやり方を教えてもらいましょう。


5. チーム医療に参加する意識を持つ

糖尿病治療は、医師だけでなく、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士など、複数の専門職が関与する「チーム医療」です。

遠慮せず、積極的に相談や質問をしましょう。特に管理栄養士との面談では、日々の食生活や献立に関する具体的なアドバイスが受けられます。


6. 合併症の予防意識を持つ

糖尿病は血糖値の異常だけではなく、放置していると全身に合併症を引き起こす可能性があります。代表的なものには以下があります:

  • 糖尿病網膜症(視力低下、失明のリスク)

  • 糖尿病腎症(腎機能障害、透析のリスク)

  • 糖尿病神経障害(しびれ、痛み、感覚麻痺)

これらの予防のためには、定期的な検査(眼底検査、尿検査、神経機能検査など)が必要です。診断から30日以内に、必要な検査の予約をしておくとよいでしょう。


7. メンタルケアと家族・職場への相談

糖尿病は慢性疾患であり、長期的に向き合っていく必要があります。そのため、心のケアも大切です。

不安やストレスをためない

初期は特に「食べられない」「制限が多い」「将来が心配」といった不安が生じやすくなります。必要であれば、カウンセラーや心理士に相談することも検討しましょう。

家族の協力を得る

家族に糖尿病の基本知識を共有することで、協力や理解を得られやすくなります。食事や運動を一緒に行うことで、習慣が続きやすくなる効果もあります。

職場にも必要に応じて報告

勤務中の血糖測定や薬の服用が必要な場合、職場の理解があると安心して療養できます。無理に伝える必要はありませんが、安全のためにも信頼できる上司や同僚に相談しておくとよいでしょう。


まとめ:最初の30日がこれからを左右する

糖尿病と診断された最初の30日間は、将来の健康を左右する最も重要な期間です。やるべきことを簡潔にまとめると以下のようになります:

  1. 医師と十分に話し、自分の状態を正確に知る

  2. 糖尿病の基礎知識を学ぶ

  3. 食事と運動を改善する

  4. 血糖値を測定・記録する

  5. 必要に応じて薬やインスリンを正しく使用

  6. チーム医療に積極的に参加する

  7. 合併症予防とメンタルケアも意識する

この1ヶ月を真剣に取り組むことで、糖尿病は恐れる病気から「一緒にうまく付き合える病気」に変わっていきます。焦らず、でも確実に、一歩ずつ前に進んでいきましょう。

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