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ペットボトル症候群は急性の糖尿病。最悪は昏睡に陥ります

 

 ペットボトル症候群とは糖質の多い飲み物を大量に摂取することにより起こる急性の糖尿病です。ペットボトル症候群は年齢に関係なく、多くは20代から30代の比較的若年層に多くみられます。

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ペットボトル症候群とは

 食事で糖質を摂ると一時的に血液中の糖質が多くなります。そこでインスリンの出番です。インスリンは細胞に糖を取り込ませる役割があり、そうすることで血液中の糖が徐々に少なくなるわけです。細胞はその糖をエネルギーとして使うのです。しかし、あまりにも多い糖質が血液中に入ってきたどうなるのか。

 糖質を多く含む清涼飲料水を大量に摂取することによって、インスリンが不足してしまいます。そうすると一時的に高血糖の状態になりますが、血糖値が高いということは、細胞が糖質をエネルギーとして使えていないことを意味し、そうするとエネルギー不足に陥ることになります。インスリン作用不足によって糖質が細胞に正常に取り込まれない場合、脂質からエネルギーを作る必要があり、その時ケトン体という物質が産生されます。

 ケトン体の量が多すぎることでどんな症状が現れるのか。症状としては、口渇、多飲、悪心、嘔吐、腹痛などが生じます。やがて、血圧低下、意識障害をきたし昏睡に陥ります。別名、糖尿病性昏睡とも言います。

そもそも糖尿病の定義とは?

  糖尿病はいわゆる慢性の高血糖状態です。血糖値やHbA₁c値(ヘモグロビン・エイ・ワン・シー)が診断基準に用いられ、糖尿病型では、早朝空腹時血糖値が126㎎/dl以上、HbAlc値も6.5%以上と高くなっています。

[糖尿病]
①早朝空腹時血糖値
=>126mg/dl以上

②食後2時間血糖値(75g経口ブトウ糖負荷試験で判定)
=>200mg/dl以上

③HbAlc値
=>6.5%以上

 糖尿病の病型は、現在Ⅰ型、Ⅱ型があり、Ⅰ型糖尿病は膵臓のβ細胞が壊れていることによりインスリンの絶対的欠乏が原因の糖尿病になります。いわゆるインスリン依存型糖尿病と呼ばれています。Ⅰ型糖尿病の患者数は糖尿病全体の約5%、30万人と言われています。

 Ⅱ型は「非インスリン依存型糖尿病」と呼ばれており、糖尿病の大部分はこのⅡ型に分類されます。Ⅱ型はインスリンの分泌が低下しているか、あるいはインスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)が増大したことが原因の糖尿病です。原因は食べすぎや運動不足などの生活習慣です。

ペットボトル症候群になった場合、どうすればいいの?

 ペットボトル症候群は生活習慣から起こるⅡ糖尿病とは異なり、急性の糖尿病であるので、まずは普段摂取している飲み物の成分表を見て、糖質もしくは炭水化物の量を確認することです。ジュース類やスポーツドリンクは炭水化物の量が割合として多いので、意識的に摂取する量を減らす、もしくは一時的に全く取らないというのも手段としては有効です。

 ちなみにジュースの成分表に「炭水化物」とい書いてあったら、それは糖質と同じです。炭水化物を分解すると糖質と食物繊維になりますが、ジュースには食物繊維はほとんど入っていないので、ほぼ「炭水化物=糖質」です。

 500mlのジュースには50g前後の糖質量が含まれていますので、もし大量に飲む必要がある場合には水orお茶にしておきましょう。

[参考記事]
「キリンのソフトドリンク131種類の糖質を調べたよ」

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