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妊娠糖尿病とはどんな病気?赤ちゃんや母体への影響は?

 

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妊娠糖尿病とは?

 一昔前まではあまり聞き慣れなかった「妊娠糖尿病」という言葉。現在妊娠中の方なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

 それもそのはず、ここ数年で妊娠糖尿病の診断基準が厳しくなり、今や妊婦の10人に1人が妊娠糖尿病を発症していると言われています。

 では、妊娠糖尿病とは一体どんな病気なのでしょうか?これは、妊娠を原因として血糖値が高くなってしまう病気です。もともと糖尿病を患っている状態で妊娠することではなく、あくまで妊娠してから血糖値が高くなってしまう症状が現れます。

 妊娠するとインスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)になりやくすくなり、血糖値が下がりにくくなります。脂肪が溜まるとインスリンの効きが悪くなりますので、肥満にならないように体重管理をする必要があります。

症状は?どうやって発見する?

 妊娠糖尿病の症状としてまず挙げられるのは、喉が異常に乾いたり、トイレが近くなることです。この症状は通常の糖尿病と同じです。

 妊娠糖尿病は、毎月の妊婦健診で発見できます。普段の尿検査で尿糖が出た場合や、妊娠中の血液検査で血糖値が高かった場合、ブドウ糖負荷試験という検査を行います。この試験で一定値以上の血糖値が測定されると、妊娠糖尿病として治療を進めていくことになります。また、最近では、この試験を全ての妊婦を対象に行なっている病院もあります。

妊娠糖尿病の影響は?

 妊娠糖尿病が悪化した場合、赤ちゃんや母体へは以下の影響が現れることがあります。
〇大きな体で生まれてくる
〇赤ちゃんが低血糖になる
〇流産
〇体内で胎児が成長しない
〇奇形で生まれてくる
〇母体の高血圧

治療法は?

 妊娠糖尿病と診断された場合、以下のような治療を行います。

①食事療法
 診断時の症状が軽度だった場合、食事療法から始めることがほとんどです。まずは普段の3食の食事を見直し、食前、食後の血糖値を自身で測定器を使用して測ります。3食を見直しても良くならない場合、1食の量を減らして回数を増やす「分割食」を行います。1食の食事の量を減らすことで、血糖値の上昇が穏やかになります。

 また、宗田マタニティクリニックのように「糖質制限食」によって急激に血糖値が上がらないように管理している病院もあります。血糖値を上げるのは糖質だけなので、甘いものはもちろん、糖質量の多いお米やパンなどの取りすぎに気を付けることである程度防ぐことができます。

②インスリン治療
 食事療法のみで症状がよくならない場合、毎日決まったタイミングでインスリン注射を打ち、血糖値の過度な上昇を防ぎます。妊娠時以外の糖尿病の場合、初期は経口薬を使用することが多いようですが、妊婦には良くありませんので、注射での治療となります。

妊娠糖尿病の発覚

 かく言う私も、妊娠中は妊娠糖尿病と闘ってきました。ひどいつわりを乗り切り、やっと楽しいマタニティライフがやってきたと思っていた矢先のことでした。

 妊娠28週頃の検診で尿糖が検知され、ブドウ糖負荷検査を受けました。結果は軽度な妊娠糖尿病。家族に糖尿病患者もいなければ、高齢出産でもなく、肥満体型でもないため、医師も「どうしてだろうね。ま、総合病院で一度診てもらって」とのことでした。

 総合病院では、栄養士さんから食事についての指導を受けました。食生活はもともと概ね良好。しかし炭水化物が大好きだったので、それを少し減らしていくことから始めることになりました。また、食後2時間時の血糖値を自分で測り、食べたものと一緒にノートに書き出す生活が始まりました。

 お米はこんにゃく米を混ぜて、食パンはライ麦パン。煮物を作る時のお砂糖は人工甘味料に変更しました。もちろん、大好きなコンビニスイーツは封印です。

 また、血糖値をあげない食事方法として大事なのが、食べる順番です。野菜から食べて、次に肉や魚、そして最後にお米やパンの順番で食事を摂っていました。しかも野菜は毎食100gが目標値です。100gというと、生野菜なら両手にいっぱいの量です。

インスリン注射

 上記の食事療法でも、私の血糖値はなかなか安定しませんでした。そこで医師から言われたのは「分割食と食後の運動をするか、もしくはインスリン注射にする?」でした。

 ここで、最近多い自然派志向のお母さんなら、一つ返事で分割食&運動をとるのでしょう。しかし、私は自他共に認める面倒臭がり屋でした。妊娠後期で重たくなってきた体を抱えて、毎日6食の準備と運動はとてもできる気がしなくて、でもインスリン注射にも抵抗があった私に、医師は「確実に赤ちゃんを守れるのはインスリン注射だよ」と言ってくれました。

 それで決心がついた私は、その日からインスリン注射を始めました。インスリン注射って、妊婦でもお腹にするのです。本当に短い針だから大丈夫!と言われても、「赤ちゃんに刺さりやしないか?破水しちゃったらどうするの?」と、とても不安な気持ちを抱えながらのスタートでした。

 刺しどころによっては痛いし、食事直前の注射なので外食時も大変。これはこれで、なかなかのストレスでした。

血糖値測定

 食事療法を始めてから、毎食2時間後に血糖値の測定を行なっていました。指に医療用の細い針を刺して、そこから出てきた血液を機械で測定するというものでした。

 食べたいものを食べられない、食べたい量を食べられない。きちんと我慢して、しかもインスリン注射まで打って、測った血糖値が高かった日には涙が出ることもありました。お腹の子は大丈夫なのか、なんでうまくコントロールできないのか、自分を責めることもありました。コンビニにサラダを買いに行って、スイーツを手に取り、「ダメだ!」と棚に戻すこともしばしば。どんどんストレスが溜まっていきました。

ストレスとの付き合い方

 あまりにも甘いものが食べたくなっていろいろ調べてみると、昨今の糖質制限ダイエットの影響か、意外と低糖質食品がでてきました。

 大手お菓子チェーン店でも糖質オフのお菓子がたくさん売られていたり、ネットでは低糖質のパンやピザなども販売されていました。また、糖質オフスイーツの本を購入して、自宅で手作りしたこともあります。小麦粉の代わりにアーモンドプードルや大豆粉、砂糖の代わりに人工甘味料などを使うことで、クッキーやパウンドケーキなど、甘いお菓子を作ることもできました。

 このようにして、甘いものを我慢するストレスとうまく付き合い始めた頃、血糖値もどんどん安定し、臨月に入る頃には血糖値が高くて泣いてしまうこともなくなっていきました。

出産、そしてその後

 そして、38週に入った頃、無事赤ちゃんは産まれてきてくれました。心配していた新生児低血糖もなく、母子ともに健康で出産が終わったことに一安心です。

 妊娠糖尿病を発症した妊婦は、出産直後血糖値の状態が元に戻ることがほとんどです。しかし、生涯を通して、糖尿病を発症するリスクは高いと医師に言われました。私も今のところ健康状態に問題はありませんが、今後定期的に検査を受けることを勧められています。出産が終わったとは言え安心はせず、バランスの良い食事の摂取の心がけが必要不可欠でしょう。

[参考記事]
「妊娠糖尿病の診断を受け、インスリンや食事療法で治療」

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